2013年4月 決算社長会見
日時 | 2013年4月30日 (火) 15:00~15:45 |
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場所 | 経団連会館 ダイヤモンドルーム (経団連会館4F) |
発表案件 | 2013年3月期決算について |
決算
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- 今期の通期業績見通しには、ドコモのiPhone発売など、他社との競争環境を折り込んでいるのか?
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競争環境については折り込んでいる。
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- 今期予定している戦略的投資300億円の具体的な内容は?
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戦略的ということなので具体的な説明は差し控えるが、データセンターやクラウド系サービスへの投資を中心として、上位レイヤのサービスを強化していく。
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- 今期の端末販売台数の見通しと、そのうちのスマートフォンの比率を教えてほしい。また、今後どのようにシニア層などのお客さまを取り込んでいくのか?
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今期の一般端末の販売台数は1,090万台、うちスマートフォンは860万台と見込んでいる。
スマートフォンの普及比率はまだ低く、中期的には8割程度になると見込んでいる。現在は、スマートフォンを選択するお客さまがアーリーマジョリティからレイトマジョリティへ移る段階であり、まだ今年はオーガニックに (現状の売り方で) スマートフォン比率は伸びると考えている。
その後、シニア層やジュニア層などセグメント毎に取り組んでいく。
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- 今期以降3年間の2桁の利益成長実現にはM&Aなども盛り込まれているのか?
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2013年3月期もJ:COM連結影響を除いて2桁成長となっており、前期の増益はモバイルのARPUが月次ベースで2月に底打ち反転したことがその要因となっている。したがって、今後の3年間もオーガニック成長として、2桁成長を達成できると見込んでいる。
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- 今後3年間で、パス系サービスのアップセルによって付加価値売上を拡大していくとのことだが、現時点のうたパス、ビデオパス、ブックパスの会員数を教えてほしい。
また、どのような戦略で、今後会員数を拡大するのか? -
具体的な数字は公表していないが、うたパス、ビデオパスの会員数は期初から倍増している。ブックパスはサービスを開始したばかりで、まだ無料期間でもあるため公表は差し控える。
付加価値ARPUについては今期290円を見込んでいるが、スマートフォンユーザーの付加価値ARPUの方が高いので、スマートフォンユーザーの比率が上がれば付加価値ARPUは上昇する。また、3月のスマートフォン購入者のスマートパス契約率は9割を超えており、この比率をさらに高めることで付加価値ARPUを拡大していく。お客さまの望む機能を追加し、プロモーションを行うことで3つのパス系サービスの利用を喚起していく。
- 今後3年間で、パス系サービスのアップセルによって付加価値売上を拡大していくとのことだが、現時点のうたパス、ビデオパス、ブックパスの会員数を教えてほしい。
障害関連
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- 4月16日発生のEメール障害、27日発生のLTE障害と、障害が連続して発生していることをどのように受け止め、今後どのように対策していくのか?
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年末年始に障害が発生し、対策を取っていたにも関わらず、再度障害を起してしまったことについて、改めてお詫びを申し上げる。
27日に発生した障害は、ソフトウエアのバグが原因であることが判っている。これまでの障害はいずれも独立した事象ではあるが、障害が連続していることに皆さまが疑問を抱いていることと認識している。
私自身が先頭に立って再確認し、障害を起さないよう最善の努力を尽くす。
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- 障害の技術的な内容を教えてほしい。
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LTEの基地局を制御しているMME (Mobile Management Entity) という設備において、端末から基地局へ送られるフラグメントされたパケットが、ある一定の長さより短い場合にエラーが発生することまで分析が進んでおり、これに対してソフトウエアの対策や修正を実施していく。また、対策が完了するまでは障害をワークアラウンド (応急処置) で発見する、あるいは障害時間を短縮するなどの対策を行っていく。
その他
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- LTEの800MHz帯のエリアカバー率を今期99%に拡大するとのことだが、2GHz帯のエリアカバー率の目標は?
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現時点で具体的な数値は開示していないが、可能な限り最速で拡大している過程である。
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- 「auのiPhoneは速度が遅い、障害が多い」と消費者が懸念しているが、なぜAndroidのように上手くいかないと考えているのか? 課題の改善にどう取り組むのか?
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今回は、iPhone/iPadのメールサーバが障害となってEメールのご利用に不具合が生じたが、800MHz (Android) と2GHz (iPhone) は、基地局とメールサーバが異なっているものの、コア設備に差分はなく、ネットワークでは大きな差はない。
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- アップルの業績に減速感があるが、アップルの製品の魅力をどう見て、今後どのようなことを期待しているのか?
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日本市場におけるアップル製品の魅力は衰えていないと考えており、今後もイノベーションがもたらされることを期待している。
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- LTEの接続率を前面に訴求する通信事業者もあるが、KDDIでは何を重視して投資を行っていくのか?
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他社の基準を当社では知りえないが、当社の基準でつながりやすさを作っていく。
LTEの800MHz帯のエリアは、全国隅々までつないでいくことを目的として、99%のエリアカバーをつくる。2GHz帯はトラヒックが集中しているエリアから重点的に基地局を建設し、都会から郊外へ拡大していく。
トラヒックが集中しているエリアには、早期から重点的に投資を行い、お客さまの体感でつながりやすいと感じるように基地局を建設する。また、障害を連続して発生させてしまったことを重大視して対策をとっていく。