2014年1月 決算社長会見
日時 | 2014年1月30日 (木) 15:00~15:40 |
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場所 | KDDIホール |
発表案件 | 2014年3月期第3四半期決算発表について |
質疑応答
決算関連
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- 国内市場全体でスマートフォンへのシフトが鈍化しているという見方もあるが、期初予想通り第4四半期でのau通信ARPUの前年同期比 (以下YOY) 反転は、可能か?
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第3四半期のau通信ARPUは、YOYベースで▲0.7%となった。1月も計画通り推移しており、期初予想通り第4四半期でau通信ARPUは反転する。
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- FCFの見通しを下方修正した理由は。販促費がかさんだという理解でよいか。
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昨年発生したネットワーク障害に伴う、LTEの基盤対策費として300億円の設備投資を追加で計上したためFCFを修正した。販促費が修正理由ではない。
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- 個人株主の状況は。
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昨年株式分割を行っているが、株価上昇の影響もあり、現状増えているとお伝えできるレベルではない。今後とも株主優待などの取り組みを進めていき、個人株主を増やしていけるよう努力していきたい。
競争関連
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- iPhone中心に販売競争が激化しているが、今の販売状況をどう見ているか。
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ドコモのiPhone導入の影響は大きいと予想していたが、当初予想していたよりも良い方向だと感じている。純増数を今回上方修正 (230万 → 270万) している通り、ドコモのiPhone導入リスクは乗り越えられた。
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- 3社がiPhoneを販売する中で、auが選ばれている理由をどのように分析しているか。
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端末が同一の中で、800MHz LTE のエリアが99%となる当社のネットワークの優位性が選ばれた一番の要因と考えている。その他、「auスマートバリュー」をはじめ、「auスマートパス」や「auスマートサポート」等の差別化要素も効果があったとみている。
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- ドコモがサービス系の新規事業を進めているが、KDDIとしてサービス系の新規ビジネスをどのように考えているか。
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フィーチャーフォンを含む付加価値ARPUは、290円としても、スマートフォンのみの場合は470円であり上昇傾向にある。さらに、「auスマートパス」会員ベースの場合には、780円となっており、auスマートパスの月額料金390円を超える水準である。このことから、アップセルも好調と分析している。
当社は、ダムパイプ事業者ではなくスマートパイプ事業者でありたいと考えており、上位レイヤのビジネスは非常に重要と考えている。今後も新たなサービスを追加・拡充していきたい。
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- 先日、ソフトバンクが、音声定額とデータ定額に従量制を組み合わせたような料金プランを発表しているが、KDDIとして (定額制の導入について) どのように考えているか。
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定額制には、音声定額とデータ定額 (7GB) の2つの議論がある。
音声定額については、今後VoLTEを導入していくことになるが、それらを視野に入れながら検討している状況。
データ定額については、データシェアという形でスマホだけでなく、他のデバイス (タブレットなど) とシェアしていくようなプランをイメージしている。
スマートフォンシフト
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- MM総研のデータで昨年の携帯電話の出荷台数が1割ほど減少していると発表されているが、実感としてどうか。実感されている場合、その要因をどのようにとらえているか。
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当社のスマートフォンの浸透率は、44%まできているが、これを将来的には80%程度までもっていきたいと考えている。現状の44%という数字は、マーケットでは、アーリーマジョリティからレイトマジョリティに移っていく状態で、一般的にこのタイミングでは移行がスローダウンし、また徐々に上がっていく。これが、現在の販売台数に表れていると考えている。
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- 携帯電話の販売台数が減少しているなかで、今後の事業成長をどう進めていくのか。
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3M戦略の一つであるマルチデバイスを進めていく。先秋データシェアプランの提供を開始し、春にはファブレットと言われる少し大きめのスマートフォンを発表した。
一人当たり複数のデバイスを持っていただけるような世界に向かって、魅力的な料金プランや機能を提供することによって、ARPU成長を続けていきたいと考えている。
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- スマートフォンの普及が鈍化している要因として、フィーチャーフォンよりも料金が高額であることがあげられる。今後、スマートフォンの普及を拡大させていくために、通信料金を引き下げていく可能性はあるのか。
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将来のことについては言及できない。一般的に浸透については、レイトマジョリティに移行するにしたがって遅くなっていく。必ずしも料金だけが要因とは思っていない。スマートフォンの形状やUIなど複数の要因が重なっていると理解している。
料金については、今後も検討していきたい。
その他
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- ウェアラブル端末については提供していくのか。
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ウェアラブル端末については、まだギーク層が買うような端末で、一般層に普及するレベルではないととらえている。とはいえ、事業者として取り組んでおり、昨年秋にはすでにGALAXY Gearなどを発売している。今後もチャレンジという意味で進めていきたいとは思う。
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- 春商戦への意気込みは。
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足元の数字 (純増数など) は、2月にTCAの発表があるが、1月は思ったより良い印象。本格的な春商戦に向けて良いスタートがきれた。
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- 昨年、オプションの強制加入が問題となったが現状はどうか。
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オプションサービスの退会導線の簡素化、専用窓口の設置、オプション加入が無くても契約が可能と明示的に案内する店頭での告知改善など、様々な対策を行ってきた。
コールセンターに入る問合せも、現状はほとんど無くなったと認識している。
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- 3.5GHz帯の周波数の割り当てに関する公開ヒアリングにおいて、同一グループのソフトバンクモバイルとイー・アクセスがそれぞれ帯域獲得に立候補しているが、この件についてどうか。
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割り当てる帯域数や事業者数などはまだ決まっていない。各社とも40MHz幅で3社割り当てを提案しているが、今後開設指針が決まってからの話であるため、これ以上のコメントは差し控える。