2014年10月 決算社長会見
日時 | 2014年10月31日 (金) 17:15~18:00 |
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場所 | KDDIホール |
発表案件 | 2015年3月期第2四半期決算発表について |
決算、料金関連
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- 9月のMNP純増数が拡大した理由は何か。
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MNP純増数の数字自体は非開示とさせていただきたい。全体のMNP市場は昨年比較では縮小している中で、当社のMNP市場に於けるシェア獲得は引き続き順調。9月に引き続き、10月も良い数値が出ている。auが選ばれている理由は、社内の調査ではキャリアアグリゲーションとWiMAX 2+のダブルのネットワークの良さである。2つ目は、auスマートバリューなどの料金施策もお客様に響いていることである。MNPの傾向はこれまでと変わらず、順調に推移している。
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- 4G LTE スマートフォンのデータ利用量が伸びている理由をどのように分析しているのか。
また、新料金プラン (カケホとデジラ) で5GB以上のデータ容量を選ぶユーザが約44%とのことだが、より高いデータ容量を選んでもらうために、どのような施策をとっているのか。 -
データ利用量が伸びている背景としては、スマートフォンをご利用されるお客さまが、例えば画像関連などの新しいアプリを積極的に使われるようになることで、全体のデータ利用量が伸び、昨年対比でかなり増えることにつながった。今後も、この傾向は変わらないと捉えている。
また、5GB以上のデータ容量を選択していただくための施策については、ユーザのデータ利用量が増えると、自然な流れとして、大きいデータ容量を選択されるお客さまも増えると考えている。
- 4G LTE スマートフォンのデータ利用量が伸びている理由をどのように分析しているのか。
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- 今期の通期予想を据え置いたが、その理由は。
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通期予想に向けた進捗率は順調に推移しており、このままいけば達成できると捉えている。差分が出てくれば、第3四半期決算発表時に適宜修正する。現時点では非常に順調に推移している。
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- iPhone 6に関して「90%のステイ率」という説明があったが、他端末と比べてどうなのか。そして90%の意図を教えて欲しい。
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記者の皆さんからは、契約から2年以上経過したiPhone 4S/5のユーザがドコモへ移るのではと予想されていたが、蓋を開けてみたら9割以上のユーザがステイしている状態 (auに留まる) であり、我々の計画値と照らし合わせても良い結果であったため、誤解を解く目的で決算発表資料に該当のスライドを入れた。
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- iPhone 6の初期動向として、90%はステイし、残りの10%は他社に移っているが、乗り換える人が多いということを示しているのか。
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9月時点でauのiPhone 4S/5を2年以上使っているユーザが機種変更するか、MNPするかという動きを追った数値がステイ率。当社にステイする人と他社にチャーンする人を分母とし、当社にステイする人を分子として計算したものがステイ率であり、結果9割になった。MNPが転入増となる理由としては、他機種も含めて、MNPで転入してくるお客さまが多かったため、結果として9月はMNP純増数が好調となった。
総務省関連
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- SIMロック解除に関するガイドラインが本日総務省より提示されたが、その影響をどのように捉えているか。
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内容を検討し、必要に応じて、パブリックコメントなどにフィードバックする。現実的には、まだ時間があるので今後勉強していきたい。影響については、細かく分析していないので、何とも言えない。ただ、SIMロック解除以外にも、MVNO市場の隆盛やドコモによる固定回線とのセット割発表などの様々な状況変化が起きており、それらを踏まえて検討したい。
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- SIMロック解除義務化について、auは対象機種が現状ゼロということで、今後KDDIがどのような方針をとるのか注目が集まっている。無料で解除するということを前向きに検討中なのか。または、検討するにあたって何らかの課題があるということであればその点を教えて欲しい。
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当社のネットワーク方式はCDMAだがドコモ・ソフトバンクの方式はUMTS。方式が異なるため、SIMロックを解除したところで他社SIMを挿しても動かない。現状、iPhone などのように世界共通のハード設計により差分が徐々に無くなってきてはいるものの、スマートフォン全体で見ると、通信方式の差を端末が完全に吸収できているものはまだそれほど存在しない。SIMロック解除時、我々が他の方式のSIM動作まで保証を行うのかなど細かい点について課題や疑問が残る。そういったことを含めて、パブリックコメントにて言及することになる。会社方針としては、SIMロック解除に関するガイドラインが確定次第、それに準拠した対応を進めていく。ユーザ目線では、まだまだ細かな差分があるのでその箇所も含めて検討したい。
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- SIMロック解除の義務化は来年5月以降に発売する最新端末が対象となるとのことだが、それでもキャリアの方式差分は懸案事項になるのか。
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おそらく課題になる。ベーシックな通信方式以外にも、通信キャリアはメールなどの一般的なサービスを提供しており、そこまで動作を保証できるかが懸念事項。
NTT東西、ドコモによる「ドコモ光」関連
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- ドコモから「ドコモ光」が発表され、ソフトバンクも同様にNTT東西の光回線のセット販売に参入を表明した。現在、NTT東西の光回線の卸売りにおいて、透明性をどのように担保するかという点についてパブリックコメントにかけている中、このような発表が為されたことについての所感は。
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NTT東西の固定設備はボトルネック設備であり、過去からの電話施設設置負担金によって作り上げられたネットワーク。これまでは"接続"という形で他事業者が使うという明確なルールがあったが、"卸役務提供"という形で2020年に向けた「新たなイノベーション」を起こすために解放しようというのがNTTの言い分。仮に、卸売りによってセット割がスタートするというのは、脱法的行為だと捉えている。それにも関わらず、ドコモから本日セット割サービスが発表され、「これは一体なんだろう」という感想。最低限、透明性・公平性を確保しなければいけないにも関わらず、議論が為されている最中にサービス開始を表明されるのは、「いかがなものか」と思う。このようなことが起こらないように、236社連名で総務大臣に要望書を提出していたにも関わらず、強引に推し進めるなあという印象。
そもそもの卸売りの目的は日本に「新たなイノベーション」を起こそうという主旨で、始まった基本政策の議論だったが、実はドコモ中心にセット割をやらせ、KDDI含め他社の固定を巻き取らせるような戦略が本心なのではないかと窺っていたが、案の定その通りにサービスが開始予定と公表されたということは、なんとも言えない気持ち。引き続き、様々な場面を通じてコメントしていく。
その他
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- 本日、日銀が金融緩和を決定したが、今の景気動向についてどのように考えているか。また今回の金融緩和をどう評価しているか。
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景気は徐々に良くなっていると考えている。金融緩和については、当社は特にコメントする立場にないので差し控える。