山口衛星通信センター (山口県山口市) は、1969年 (昭和44年) 5月に当時の国際電信電話株式会社 (現KDDI) の衛星通信所として開所しました。
当該地は、インド洋上空と太平洋上空の両方の通信衛星を見通すことができ、地上のマイクロ回線との相互干渉も少なく、さらに台風や地震などの自然災害も少ないなどの立地条件を備えた、世界でも最大級の衛星通信センターです。
現在では、インド洋と太平洋上空の衛星を介して、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アメリカ、オセアニアなど50ケ国・地域と、電話、FAX、インターネット、テレビジョン伝送などの国際通信サービスを取り扱っています。
山口衛星通信センターの国際衛星通信システムは、光海底ケーブルでは接続できない対地 (島嶼 (とうしょ) 部・船舶・航空機) との通信、海底ケーブル回線との二重ルート化、海外のお客さまサイトとの直接接続等も可能であり、国際電話、国際専用線、データ伝送サービス、インターネット接続サービス、テレビジョン伝送の提供に活用されます。
日本における衛星通信は、1963年 (昭和38年) 11月に、開発と実用化のための実験施設として茨城衛星通信センター (茨城県日立市・高萩市) が運用を開始したのが始まりです。
茨城衛星通信センターは、日本で最初のテレビ衛星中継を開始した国際通信センターでしたが、その運用を山口衛星センターに移行し、2007年3月に停止しました。
(1) 概要
センター長 | 木本 氏将 (きもと うじまさ) |
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所在地 | 山口県山口市仁保中郷123 |
敷地面積 | 約163,000m² |
施設面積 | 約10,000m² |
主な設備 | パラボラアンテナ数 18基 (通信能力は電話回線換算で、約2,500回線)
受電設備 22KV 自家発電設備 3,500KVA |
(2) 沿革
1967年12月 | 山口地球局建設着手 |
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1968年11月 | 山口地球局「山口第1設備」竣工 |
1969年5月 | 山口衛星通信所開所 (国際電信電話株式会社) |
1969年7月 | 山口第1施設運用開始 |
1979年11月 | TTC&M/IOT局運用開始 (現在の電波望遠鏡) |
1980年10月 | 山口第2施設運用開始 |
1982年2月 | インマルサットA (IOR) 運用開始 |
1985年2月 | 山口第3施設運用開始 |
1987年3月 | 山口第1施設撤去工事終了 |
1990年11月 | 多目的テレビ受信専用地球局運用開始 |
1990年12月 | インマルサットエアロ運用開始 |
1991年3月 | 高円宮殿下、同妃殿下ご視察 |
1997年9月 | 山口第5施設運用開始 |
2003年3月 | 109Cバンドアンテナ運用開始 |
2006年 | 109Lバンド (4月)、TV5アンテナ (11月)、TVRO4 (12月) 運用開始 |
2008年7月 | 山口第6施設運用開始 |