開発途上国への新規事業展開について
~バングラデシュ、bracNetへの出資、およびKDDIとデフタ・パートナーズとの戦略的パートナーシップ~

KDDI株式会社
デフタ・パートナーズ

2009年11月12日

KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長兼会長: 小野寺 正、以下「KDDI」) は、バングラデシュのインターネット接続サービス通信事業会社bracNet (BRAC BD Mail Networks Limited、本社: ダッカ、CEO: ムハンマド・アブドゥル・ロブ、以下「bracNet」) に対する出資について、同社の主要株主であるデフタ・パートナーズ (本社: 米国カリフォルニア州、会長: 原 丈人、以下「デフタ・パートナーズ」) が設立した事業持株会社gNet DEFTA Development Holding, LLC (本社: 米国デラウェア州、代表者: 原 丈人) および同じく主要株主である非営利組織BRAC (本部: ダッカ、総裁: ファズレ・ハサン・アベッド、以下「BRAC」)、ならびにbracNetと合意し、2009年11月12日 (木) に株主間契約書および株式引受契約書を締結しました。
KDDIとデフタ・パートナーズは、今回の出資を契機として、今後、開発途上国への新規事業展開における戦略的パートナーとして協業いたします。

●1. bracNetへの出資について

KDDIは、bracNetの第三者割り当て増資に応じ、この出資により、KDDIは、bracNetの株式の50%を取得します。
デフタ・パートナーズは、2005年にbracNetをBRACと共同で創立以来、60%の持ち株比率を有し、経営を主導してきましたが、2008年第4四半期からEBITDAベースで黒字化を達成したことを契機に、グローバルな通信事業会社との提携を決定し、KDDIとパートナーシップを組むことになりました。

バングラデシュは約1億6千万人という世界第7位の人口大国で、インターネット通信の需要は大きく、高い市場性が見込まれていますが、一方で、国内インフラが未整備であることからインターネットの普及率は2%と低く、早期の改善が期待されています。bracNetは、固定WiMAXと光ファイバーを併用した効率的なインフラ構築を早期に開始しており、高速で安定したブロードバンドインターネット接続サービスを提供します。今回の増資により、同社は固定WiMAX基地局の増設を進め、バングラデシュ国内のインターネット・ブロードバンド利用エリアを拡大していきます。

●2. 開発途上国への事業展開について

KDDIとデフタ・パートナーズは、開発途上国の通信インフラ事業や通信サービスに対し、投資や技術・事業ビジネスモデルの提供などを行うことにより、新しい市場の開拓や、社会的な支援活動を目指し、事業展開の協業を行います。

現在、開発途上国において、世界人口の7割を占める40億人が、年間所得3,000ドル未満の収入で生活しており、その市場規模は5兆ドル (約450兆円) といわれています。すでにいくつかの産業分野において、開発途上国の市場における購買力や消費者行動に沿ったサービスや商品を提供することで、慈善事業の対象ではなくビジネスの顧客としてとらえ、新たな市場の開拓・成長を積極的に推進する動きが、世界的に注目されています。このような活動は、開発途上国の生活水準の向上を実現し、生産力・収入の増大を促進させ、さらなる市場の拡大や新たなビジネスチャンスの可能性が期待されるとともに、貧困削減という地球規模の課題への解決にもつながるといわれています。

KDDIによる開発途上国への事業展開は、現地の通信インフラを構築し、低価格で高品質なインターネット・ブロードバンドの普及を推進することで新しい市場を形成します。開発途上国におけるインターネットは、遠隔教育や遠隔医療など、デジタルデバイドの解消や交通インフラの代替として人々の生活に密接に機能していき、生活水準を向上させ、さらなる市場の拡大とそれによる地域開発・貧困削減という相乗効果を見込んでいます。

デフタ・パートナーズは1984年に米国カリフォルニア州で設立以来、米国・欧州・イスラエルを中心として多くのテクノロジーベンチャー企業を発掘、支援、育成、出資を行ってきました。近年では2005年にバングラデシュにおいてbracNetへの投資を行うとともに、ポスト・コンピュータ時代の先端技術を利用することにより、遠隔教育や遠隔医療を実現し、開発途上国の人々の生活水準を向上させることに注力しております。また、このDEFTAbracNetモデルは、世界に先駆けてのNGOとの合弁形態であり、その利益の40%を教育や医療などの公益に使うモデルです。今後はアジアのみならずアフリカやラテンアメリカの開発途上国にも同様の活動を広げていく計画です。

KDDIの情報通信分野における技術力と事業経験、そしてデフタ・パートナーズの開発途上国における事業経験と国際的なネットワークのシナジーにより、開発途上国にとって真に効果的・持続的なインターネット・ブロードバンド環境の整備、そして、社会インフラの整備が可能になると考えております。

KDDI、デフタ・パートナーズは、バングラデシュの市場開拓・事業展開におけるビジネスパートナーとして関係を深めていくとともに、KDDIが長年培ってきた事業ノウハウと、デフタ・パートナーズのアジア、アフリカ、中南米での広範なネットワークを活用し、今後の開発途上国への中長期的な事業展開にも共同で積極的に取り組んでいきます。

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