ロシア横断ルートによる日本~欧州間伝送路の容量拡張について

Rostelecom
KDDI株式会社

2011年5月18日

ロシア最大の長距離通信事業者であるRostelecom (本社: モスクワ、社長: アレクサンドル・プロボトロフ、以下ロステレコム) とKDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 田中 孝司、以下KDDI) は、このたび日本~ロシア間光海底ケーブルネットワーク「RJCN」(注1) およびロステレコムが所有するロシア横断光波長多重ネットワーク「TEA」(注2) の容量拡張について合意しました。
RJCNとTEAはシームレスに接続されており、日本/アジア~欧州間をインド洋経由や米国経由のルートと比較して最短ルートで結びます。ロステレコムとKDDIは、RJCNおよびTEAを640Gbpsまで容量拡張することで、日本/アジア~欧州間の接続手段としてのロシア横断ルートの位置付けを確固なものとし、従来にも増して高まる日本/アジア~米国間のバックアップルートとしてのご要望にも対応します。また、これまでのSDHリングプロテクション (注3) に加え、コスト競争力のある10Gbps波長を導入することで、日本~欧州間のトラフィック需要増に対応するとともに、東京~欧州間の10Gbps波長として従来の月額によるリースに加え、長期リースまたは10年間のIRU (注4) でもご利用いただけます。

本容量拡張に伴うロステレコムおよびKDDIの投資額は、2011~2012年の2年間に約6,000万米ドルで、完成は2012年初めを予定します。

ロステレコム 副社長 パベル・ザイツェフは、次のとおりコメントを述べました。
「ロステレコムのグローバルリーディングキャリア戦略として、ロシアの地理的特色とこれまで築いてきたグローバルマーケットでのブランドを活かした海外向けサービスの拡充に注力してまいります。ロシア横断ネットワークがその代表的なサービスとなります。KDDIという良きパートナーがこの計画に参加してくれ、日本のみならず世界中からのニーズがロシア横断ルートの拡大への新しい弾みとなったことを非常に嬉しく思います。」

KDDI 理事 技術統括本部 技術開発本部長 渡辺文夫は、次のとおりコメントを述べました。 「このプロジェクトにより、KDDIの国際ネットワークおよびビジネス戦略プランに新しい1ページが開かれます。当社は、ロシア横断ケーブルにコスト競争力のある価格で低遅延かつ信頼性の高い10Gbps波長を手にすることで、10年先までの戦略を立てることが出来ます。また、東日本大地震により多くの太平洋海底ケーブルおよびネットワークが影響を受けましたが、日本海に敷設されているRJCNケーブルは、運用を開始してから2年間、高品質サービスを提供しています。ロステレコムと共にロシア横断ルートのさらなる拡張を進め、より高度なネットワーク・ダイバーシティを目指します。」

  • 注1) Russia-Japan Cable Network: 日本~ロシア間を接続する光海底ケーブルネットワークで、南北の2ルート構成により、一方に障害が起こっても瞬時に自動復旧するセルフ・ヒーリング機能を有した信頼性の高いケーブルシステムです。
  • 注2) Transit-Europe-Asia: ナホトカからロシア国内を横断してヨーロッパに至る光多重ネットワーク。2ルート構成により信頼性を高めており、隣国の中国、中央アジア、ウクライナ等へのアクセスを可能としている。
  • 注3) Synchronous Digital Hierarchy: 同期デジタルハイアラキー (国際電気通信連合 (ITU-T) で標準化されている光ファイバーを用いた高速デジタル通信方式の国際規格)。
  • 注4) Indefeasible Right of Use: 長期回線使用権
  • ※ ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。
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