株式会社KDDI研究所
DDIポケット株式会社
KDDI株式会社


2003.2.25

DDIポケット端末からのIPv6ネットワークアクセス実験を開始



株式会社KDDI研究所(本社:埼玉県上福岡市、所長:浅見 徹)、DDIポケット株式会社(本社:東京都港区、社長:山下 孟男)およびKDDI株式会社(本社:東京都新宿区、社長:小野寺 正)は、本年3月より、DDIポケットのインターネット接続サービス「PRIN」からのIPv6ネットワークアクセス実験を開始します。


1.概要
KDDI研究所とKDDIは、2002年7月から、au携帯電話のインターネット接続サービスである「au.net」からのIPv6ネットワークアクセス実験を実施していますが、DDIポケットの通信端末からのIPv6アクセスを実証・評価するとともに、IPv6の普及を図るため、DDIポケットのインターネット接続サービス「PRIN」からのIPv6ネットワークアクセス実験を開始します。(別紙図1を参照)

「PRIN」は、パソコンやPDAなど情報端末に接続されたDDIポケットの通信端末からインターネットに接続できるサービスで、IPv4ベースで運用されていますが、KDDIがAPNIC※1より割り当てを受けたIPv6空間からお客様にIPv6アドレスを配布し、トンネリング技術※2により、KDDIのIPv6実験網に接続します。(別紙図2を参照)

IPv6はアドレス空間が膨大であり、家電や車など様々な機器にIPアドレスを付与することが可能となることから、今後のユビキタスネットワークの基本技術と考えられています。一方、現在のIPv4ネットワーク機器をIPv6に置き換えるには膨大な設備投資が必要であり、移行期間の技術やIPv4ネットワーク上でのIPv6アクセス技術の開発が重要となっています。

KDDIグループは、今後もIPv6の普及・促進に向けて、様々なIPv4-IPv6接続の研究・実験を進めていきます。


2.実験期間
平成15年3月1日〜16年3月末日(予定)
なお、「au.net」からのIPv6アクセス実験も、平成16年3月末日まで延長して実施します。


3.参加条件
DDIポケット利用者で「PRIN」をご利用のお客様を対象とします。接続方法等の詳細は、本プロジェクトのホームページ、http://www.isatap.jp/をご覧ください。また、本件に関する技術的なお問い合わせは、isatap@kddilabs.jpへお願いします。なお、実験参加費は無料ですが、データ通信利用料金と「PRIN」利用料金は別途必要です。

※1 APNIC:Asia Pacific Network Information Centre
アジア太平洋地域の組織に対してIPアドレスの割当業務などを行う非営利団体。
※2 トンネリング技術
IPv6のパケットをIPv4のパケット内に格納して、既存のIPv4インターネットを介して、IPv6ネットワークに接続する手法。IPv4からIPv6への移行時の初期に利用されると見込まれています。
現在、6to4とISATAP (Intra-Site Automatic Tunnel Addressing Protocol)と呼ばれる2つの方法がIETF(Internet Engineering Task Force:TCP/IPなどのインターネットで利用される技術を標準化する組織)により標準化されています。


【参考】
6to4技術: IPv4ネットワーク内の任意の場所に置かれる6to4リレールータで実現されます。6to4ルータはオープン利用形態で、IPv4のグローバルアドレス(世界で一つのアドレス)を持つ端末であれば、どのネットワークからでもアクセス可能です。現在、世界にはこのような6to4ルータが10台程度稼動しています。KDDI研究所では、WIDEプロジェクトの協力を得て、平成14年3月から日本で最初の6to4ルータを実験運用しています。
ISATAP技術: 特定のネットワーク(今回は「au.net」と「PRIN」)のエッジに置かれるもので、そのネットワーク内の端末からのIPv6アクセスを提供します。6to4と比較して、IPv4がプライベートアドレスであっても機能することが特徴です。このため、企業のイントラネットなどからのIPv6アクセス技術としても利用できます。



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