健康経営
CEOメッセージ
KDDIグループは、2018年4月に「KDDIグループ 健康経営宣言」を発表するとともに、3つの基本方針を掲げました。
KDDIグループは、社員が幸せで、活力ある企業であり続けるためには、社員の「健康」が重要な経営課題と捉え、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します」との企業理念のもと、社員一人ひとりの健康を組織で支える健康経営を推進し、豊かな未来に挑戦し続けることを宣言します。
- 1社員自身が自律的に健康の保持・増進に取り組むことを積極的に支援します。
- 2社員と社員の家族が笑顔で過ごせるよう、会社・KDDI健康保険組合・KDDI労働組合が一体となって、心身の健康作りを推進します。
- 3社員の心身の健康の保持・増進への取組みにより、KDDIグループに「健康を大切にする文化」を定着させ、社員の活力と生産性の向上を追求します。
今後も、KDDIグループは、社員が心身ともに健康で意欲をもって働く環境を作ることによって、社員一人ひとりの生産性を最大化し、KDDIグループの持続的成長、さらには、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
代表取締役社長 CEO
髙橋 誠
目指す健康経営・推進体制
1. 目指す健康経営
KDDIは、社員が健康でイキイキ働き、活力ある企業であり続けるために、健康指標となる推進ポイントを定め、目標達成に向け、施策の企画・実行。社員がイキイキ働く風土・文化を醸成し、個人と組織のパフォーマンス最大化を実現することを目指します。
2. 健康経営の推進体制
健康経営の根幹となる社員の健康増進に取り組むため、会社・KDDI健康保険組合・KDDI労働組合が一体となって、社員の心とからだの健康作りを推進していきます。
健康経営の戦略
健康経営の主要数値
主要指標 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度目標 |
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エンゲージメントサーベイ 社員エンゲージメントスコア※1 | 69 | 70 | 72 | 73 | 74 | 72以上を維持 |
社内カウンセラーによる全社員面談実施率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
年次有給休暇取得率 | 66.9% | 73.9% | 73.8% | 73.5% | 73.8% | 80.0% |
生活習慣の改善意欲ありの割合※2 | 37.4% | 46.3% | 45.9% | 47.1% | 47.2% | 47.5% |
運動習慣の割合※3 | 23.0% | 24.6% | 26.1% | 27.7% | 29.0% | 30.0% |
ストレスチェック 高ストレス者割合 | - | - | 12.2% | 10.4% | 10.6% | 10.5% |
ストレスチェック 総合健康リスク120超部署の割合 | - | - | 8.4% | 5.2% | 3.2% | 2.0% |
アブセンティーイズム※4 | - | - | 3.98日 | 4.38日 | 4.40日 | 4.10日 |
プレゼンティーイズム※5 | - | - | 34.7% | 33.6% | 32.4% | 32.2% |
有所見率(法定項目:健康診断結果) | 59.8% | 63.7% | 64.5% | 63.5% | 62.1% | 62.0% |
喫煙率 | 24.3% | 22.3% | 21.8% | 19.7% | 18.8% | 18.4% |
- ※1毎年定期的に実施するサーベイ結果の平均(2019年度は1回実施)
- ※2定期健康診断の問診票「運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか」において「改善を始めている、既に取り組んでいる」と回答した人の割合
- ※3定期健康診断の問診票「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上1年以上実施」において「はい」と回答した人の割合
- ※4正社員1人あたりの私傷病休職・休暇の平均取得日数
- ※5ストレスチェックに回答した正社員全体の生産性損失割合の平均値(WHO-HPQ方式)
具体的な取り組み
<健康経営 具体的な取り組みの概要>
健康経営戦略のもと、下記のカテゴリで具体的な取り組みを行っています。
-
1. 社員のエンゲージメント向上
- (1)エンゲージメントサーベイの実施と活用
- (2)社内カウンセラーによる全社員面談
-
2. 労働時間の適性化、長時間労働の低減
- (1)働き方改革推進委員会の運営
- (2)職場環境改善のための教育
-
3. 社員の健康状態向上
- (1)社員の健康リテラシー向上
- (2)運動習慣の向上・定着の推進
-
4. プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの低減
- (1)高ストレス者の低減
- (2)生活習慣病の低減
- (3)喫煙者率の低減
1. 社員のエンゲージメント向上
(1)エンゲージメントサーベイの実施と活用
KDDIでは、一人ひとりの社員が生き生きと楽しく働くことが当社の持続的成長につながると考え、定期的に「社員エンゲージメントサーベイ」を実施しています。
2023年2月の調査では、対象社員の97.3%が回答しました。総合エンゲージメントスコアは、現在のサーベイ開始以降上昇を続け、2021年度以降はサステナビリティ中期目標である「72以上」を維持。特に「人間関係」「支援」「承認」のキードライバーが改善されており、これは上司とメンバーの定期的な1on1による信頼関係の構築や業務・キャリア形成の支援が影響していると考えています。
(2)社内カウンセラーによる全社員面談
■全社員面談実施
社内カウンセラーが全社員の面談を実施し、健康状態・仕事・職場環境・人間関係などについて傾聴。年間2回×30分/1人面談を上期・下期それぞれ100%実施しています。
面談後は、メンタル不調の予兆や長時間労働が認められた場合は、医療職や組織リーダーと連携して対応。また、社員の声を組織や関係部署へフィードバック、「働き方改革推進委員会」の場で解決に向けて議論しています。さらに、社内カウンセラーの知識・技能向上のため、面談者へのアンケートを実施しています。
■社内カウンセラー制度における経験豊富な社員の活性化
全社員面談を行う「社内カウンセラー」は、ライン長経験者や資格保有者※6など豊富な知見と経験を持つ社員です。
これまでの経験で培ったスキルと人間力を活かして社員の幸せと健康に貢献するほか、カウンセリングを通じたキャリア自律支援や組織開発など、社員が自律的かつ生産性高く働くことを総合的に支援できる人財で、経験豊富なベテラン社員が活躍できる機会にもつながっています。
- ※6産業カウンセラーや国家資格キャリアコンサルタントなど
<社内カウンセラーの声>
- やりがいを感じるポイント
「様々な悩みを抱えている社員が前向きに仕事に取り組める支援ができた時にやりがいを感じる」
- 業務で活かせているスキル
「社内推奨資格の産業カウンセラー資格を研鑽し取得、傾聴や応答技法など面談に活かしている」
- これからのキャリアにおける目標
「メンタルだけでなく社員一人ひとりに寄り添い、丁寧にキャリア形成の支援をしていきたい」
2. 労働時間の適性化、長時間労働の低減
(1)働き方改革推進委員会の運営
KDDIは、従来の働き方からの抜本的な意識・行動変革を促し、生産性の高い働き方にシフトするために2017年1月より労働時間に関する指標を設定するなど、「働き方改革」の取り組みを本格的に開始し、同時に「働き方改革推進委員会」を設置しました。構成委員は、各部門のトップである本部長とし、委員長は人事部門の担当役員が就任。2018年4月からは戦略子会社の社長も委員に加わりました。
2019年度以降は、多様な働き方を加速するためのプロジェクトチームを編成し、2020年度からは「KDDI新働き方宣言」のもと、DX推進をはじめとする環境整備や「KDDI版ジョブ型」の新人事制度による新たな働き方のビジョン策定など、人財ファースト企業への変革に向けて、三位一体改革の取り組みを進化させ、さらなる働き方改革を推進しています。
働き方改革推進委員会の運営体制
- ※戦略子会社:KDDIエンジニアリング株式会社、auフィナンシャルホールディングス株式会社、KDDI Sonic-Falcon株式会社、株式会社イーオンホールディングス、auエネルギーホールディングス株式会社、沖縄セルラー電話株式会社、UQコミュニケーションズ株式会社、ビッグローブ株式会社、中部テレコミュニケーション株式会社、JCOM株式会社、KDDI Digital Divergence Holdings株式会社、株式会社KDDIエボルバ、KDDIまとめてオフィス株式会社(2023年7月時点)
- ※働き方改革の詳しい内容はこちらをご覧ください
(2)職場環境改善のための教育
■全社員向けの教育
- 1働き方改革・健康経営月間として「メリハリのある働き方」をテーマに職場ディスカッション 実施率98.5%
- 2Manabiコンテンツ Eラーニング
「長時間労働と健康リスク」受講率 100%
「信頼関係を築こう TRUST」受講率 100%
「2023年度メンタルヘルスケア(セルフケア)」受講率 94.5%
■ライン長向けの教育
- 1産業医講演「労災事案再発防止のための産業医からの提言」満足度 100%
- 2Manabiコンテンツ Eラーニング
「2023年度メンタルヘルスケア(ラインケア)」受講率 93.8%
- 3弁護士講演
経営層や各本部のリーダー層が安全配慮義務を再確認し長時間労働の課題について認識をもってもらう為に、弁護士講演(安全配慮義務の再確認・長時間労働課題)を実施しました。(2023年10月:本部長向け、2024年3月:経営層向け)
3. 社員の健康状態向上
(1)社員の健康リテラシー向上
■女性の健康セミナー
女性特有の健康課題である乳がんと子宮がんについて定期健診の重要性や、日ごろのセルフチェック方法、罹患した場合の仕事と治療との両立方法など、健康管理に役立つセミナーをオンラインで開催しました。受講者:64名
男女別のホルモンの心身への影響、女性特有の周期ホルモンの波を知り、40代以上の社員の更年期症状対策に役立つセミナーをオンラインで開催しました。受講者:200名
■健康測定会
骨粗しょう症予防や早期対応を目的とした「骨密度、肌年齢、歩行姿勢」の測定会を実施しました。参加者数:222名
■全国各地での健康セミナー
社員の健康リテラシー向上と、社員自身が抱えている健康に関する悩みの改善、健康づくりの取り組み推進を目的に全国でオンラインでのセミナーを開催しました。開催案内は社内のイントラで周知し、社員が希望するセミナーを受講しています。
全国での生活習慣改善セミナー実施状況
北海道地区主催 | 健康と腸の関係 |
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東北地区主催 | オーラルケア |
東京地区主催 | 食事で始める健康診断対策~血圧・コレステロール・体重 脂肪燃焼の為の股関節運動 男女のホルモン影響 睡眠×メンタルヘルス 肩こり・腰痛・眼精疲労 喫煙環境が減ったわけ |
南関東地区主催 | 乳がんと子宮頸がん |
北陸地区主催 | 熱中症対策 |
関西地区主催 | 腸活の為の食生活と身体の動かし方 |
四国地区主催 | 尿漏れ対策 |
(2)運動習慣の向上・定着の推進
■健康アプリを活用した健康増進のためのスポーツイベント
2019年より、当社では業務用スマートフォンに健康アプリを配信しています。
2023年度は自社サービスとして展開している「auウェルネス」アプリの活用を促進し、毎日のウォーキングや身長/体重を記録することにチャレンジ。アプリ上で健康ポイントの進呈も実施しています。
また、チームで参加できるエントリーのウォーキングイベントも定期的に開催しており、参加チーム数の増加だけでなく、運動習慣がある社員が順調に増加しています。アプリ上で健康ポイントの進呈も実施しました。
ウォーキングイベント参加状況
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||||||||||
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第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第1回 | 運動会 | 第2回 | 第3回 | |||
第1弾 | 第2弾 | 第1弾 | 第2弾 | ||||||||||||
実施時期 | 7/1~7/31 | 11/1~11/16 | 1/20~1/31 | 2/1~2/15 | 8/22~9/4 | 12/1~12/18 | 12/1~12/10 | 1/17~1/26 | 11月 | 12月 | 1月 | 5月 | 11月 | 12月 | 2月 |
参加チーム数 | 105 | 111 | 118 | 115 | 119 | 130 | 個人戦 | 個人戦 | 74 | 125 | 118 | 121 | 85 | 109 | |
参加者数(名) | 1,476 | 1,516 | 1,099 | 1,050 | 827 | 944 | 1,816 | 1,833 | 1,071 | 706 | 1,125 | 1,428 | 3,105 | 1,150 | 1,496 |
■社内運動会「KDDIスポーツフェスティバル」の開催
KDDIはKDDI労働組合と共同で、社内運動会「KDDIスポーツフェスティバル」を実施しました。本イベントは社員の運動啓発や組織活性化に加え、KDDIグループで働く社員とその家族の「交流」と「会社を知ること」を通じて一体感を高めていくことを目的に2013年度より継続的に開催しています。
2023年度は都内のリアル開催会場をハブに、全国の10総支社拠点でのパブリックビューイング会場での開催やオンライン参加も可能とし、参加者約1,200人およびオンライン視聴約2,700ビューとなりました。
大縄跳びや玉入れ、障害物リレー、ココロオドル動画コンテスト、全員参加の早押しクイズやeスポーツなども行い、ウォーキングイベントでも活用している「auウェルネス」アプリを活用した全社員参加の「色組対抗ウォーキングチャレンジ」も開催し、健康増進に加えて組織の一体感醸成に貢献しています。
KDDIスポーツフェスティバル
■社内講師によるウォーキングセミナー
ポスチャースタイリストの資格を持つ社内講師によるウォーキングセミナーを開催しました。
■運動習慣定着の為のランチタイム活用トレーニングイベント
ランチタイム時間に短時間で手軽に参加できる「オンライン&オフライン」のハイブリットイベントを開催し、本会場、パブリックビューイング会場、オンライン合わせて、全10回で計1,930名参加しました。
開催日 | 12月1日 | 12月8日 | 12月15日 | 12月22日 | 1月10日 | 1月17日 | 1月24日 | 1月31日 | 2月7日 | 2月14日 |
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内容 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | 第7回 | 第8回 | 第9回 | 第10回 |
お腹引き締め!体幹トレーニング | 肩こり解消!ストレッチ | 猫背必見!姿勢改善ストレッチ | 入眠・睡眠の質改善!呼吸法 | ぽっこりお腹解消トレーニング | 肩こり・ストレートネック解消! | 代謝アップ!下半身トレーニング | シェイプアップ!腹筋ストレッチ | 姿勢改善代謝アップ!ストレッチ | 脂肪燃焼効果アップ!スクワット | |
参加者数 | 262 | 240 | 224 | 186 | 172 | 214 | 175 | 168 | 142 | 147 |
■階段利用促進
事務所内の階段に、モチベーション感化や効果を訴求する足元POPや、階段利用促進の壁面ポスターを展開し、社員の階段利用を促進しました。身長に応じた適正歩幅シールやポスターを社内入口付近に展開し、適切な歩幅でのウォーキング効果を訴求しています。
本施策により、スポーツエールカンパニーのプラス認定となりました。
■運動習慣の拡大状況
4. プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの低減
(1)高ストレス者の低減
■ストレスチェックの実施
2023年度受検率 94.7%(22年度91.4%、21年度88.3%)、集団分析レポートを社内カウンセラーから各本部にフィードバックしています。
総合健康リスク120超部署ゼロを目指し、各本部が改善のためのアクションプランを立て、年度末に振り返るPDCAを実施しており、22年対比で5.2%→3.2%へ改善しました。
総合健康リスク 部署数分布
生産性損失の状況
2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|
メンタルヘルス不調による休業者数※7 | 114人 | 134人 |
アブセンティーイズム※8 | 4.38日 | 4.40日 |
プレゼンティーイズム※9 | 33.6% | 32.4% |
- ※7年度末時点で休業している社員数
- ※8正社員1人あたりの私傷病休職・休暇の平均取得日数
- ※9ストレスチェックに回答した正社員全体の生産性損失割合の平均値(WHO-HPQ方式)
■マインドフルネス研修
生産性向上およびセルフメンタルケア促進として呼吸瞑想による研修を基礎理論+実践形式で合計8回実施しました。満足度90.8%
研修前後の効果測定結果でマインドフルネスの程度が上昇し、ストレス軽減や集中力向上を確認しています。
効果測定実施方法
マインドフルネスの程度を評価する五つの因子について、研修前後の変化を測定 |
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対象:全4回の研修すべてに参加した社員 五つの因子の内容
|
(2)生活習慣病の低減
■定期健康診断・保健指導(定期健康診断前/定期健康診断後/特定保健指導)
2023年度の定期健康診断受診率は100%で、健康診断実施に関する総額は約2.3億円です。
定期健康診断を基に、生活習慣病項目で有所見に該当した社員を対象に、年間1,300名を超える保健指導を実施しました。
保健指導実施社員の翌年の定期健康診断においては、数値の改善が図られています。
有所見率の改善状況
■食育への取り組み
健康に配慮したお弁当やサンドイッチ、乳酸菌飲料、軽食物をQRコードやPAY決済で販売する無人店舗を設置しました。また、保健師おすすめの栄養バランスの取れたスマートミール弁当も販売しています。
(3)喫煙者率の低減
■禁煙への取り組み
禁煙チャレンジ
健康アプリで禁煙チャレンジ宣言を公開してスタートした社員が3カ月の禁煙に見事成功し、かつ、成功体験インタビューに登場してくれた社員に健康ポイントを進呈しています。
禁煙補助剤購入支援
健康保険組合の費用補助により、3,000円分の禁煙補助剤購入費用をサポートしています。
禁煙サポート窓口
医療職から喫煙者にメールでの情報提供、あわせていつでも相談できる禁煙サポート窓口を設置しました。