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福井県小浜市 IoTで日本遺産「鯖街道」復活へ
IoTで日本遺産「鯖街道」復活へ。チームで挑む鯖の養殖。
担当者さまインタビュー
小浜市の抱える課題
かつて若狭の人々は軽く塩を振った鯖を背負い、真南の京都まで運びました。これが「鯖街道」の由来です。「鯖街道」が2015年に日本遺産に認定され、鯖の食文化を見直そうという機運が高まったものの、肝心の鯖の漁獲量は減少し、漁師は後継者不足に悩まされていました。多くの鯖が漁獲され、鯖街道の起点として活気があったかつての小浜を復活させようと、難しいとされる鯖の養殖への挑戦をはじめました。
「鯖、復活」養殖効率化プロジェクト-KDDIの役割-
漁師の勘や経験に頼っていた鯖養殖現場のIoT活用による効率化を目指して「「鯖、復活」養殖効率化プロジェクト」がはじまりました。
メンバーは、小浜市、クラウド漁業、小浜市漁業協同組合、福井県立大学、KDDIです。
KDDIは、センサーの設置やアプリケーション開発などIoTの実装をサポートしました。
養殖生けすの水温、酸素濃度、塩分を1時間おきに測定、モバイル回線で自動的にデータをサーバへ送信。漁師が手元のタブレットで鯖の成育環境をリアルタイムに把握でき、餌やりの計画・記録をクラウド上で管理する仕組みです。
取り組みの効果/今後への期待
左から畑中さま 浜家さま 石黒
漁師
浜家 直澄さま
以前は毎日1回、給餌の度に水温を測っていましたが、現在はどこにいても生けすの状態がわかります。もともとITとは縁遠く、導入検討時ははっきりと『いやだ』『できん』と言っていましたが、もう以前には戻れないですね。こちらの方がはるかに効率的です。
給餌量を何割か減らしても生育に変化がないことが分かればその分餌を減らすなどしてコストを削減できますし、こういったノウハウは後継者への引継ぎにも役立つと思います。
蓄積されるデータの質が高まり、関係者との情報共有が加速しました。
データを見た大学教授らが、その場で浜家さんに給餌に関するアドバイスをするなど、チームで養殖に取り組む姿勢が強固になりました。
今後より多くのデータが蓄積されればそれを分析して養殖方法の大きな改善につなげていくことも期待できます。このプロジェクトを通じて、漁業振興とともに新鮮な海産物のイメージを発信して観光客誘致にもつなげていきたいですね。
KDDI担当から
KDDI株式会社
ソリューション事業本部
ビジネスIoT推進本部
地方創生支援室
石黒 智誠
当初、漁師さんはデジタル化に反対でした。
そこで私たちは、実際に使う方のご意見を大切に開発を進めました。スケッチブックに絵を描き、紙芝居のようにして、どんな画面だったら使いやすいかをヒアリングしながら開発を進めていきました。画用紙を使ったアジャイル開発みたいなものです。
私たちの目的はお客さまの実業に貢献することです。その実現にむけて今後も、漁業に限らず地域産業の現場が抱えるさまざまな課題を当社ならではの技術やパートナー企業のノウハウを活用して解決し、各地の特色にあった地方創生を進めていきたいと考えています。