スマート・コミュニティ・モビリティ実証実験を実施
~自動運転車とパーソナルモビリティの連携による病院への移動支援~
つくばスマートシティ協議会
茨城県、つくば市、筑波大学
KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所
関東鉄道株式会社、アイサンテクノロジー株式会社
株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン株式会社
2021年3月9日
つくばスマートシティ協議会 (会長: 茨城県知事 大井川和彦、つくば市長 五十嵐 立青) は、令和2年度国土交通省スマートシティモデル事業の採択を受け、人の移動を促進する「スマート・コミュニティ・モビリティ」の実証実験を、2021年2月27日、28日に実施しました。
<走行イメージ図>
今回の実証実験では、高齢者などの交通弱者の移動・外出の促進を図るため、自動運転車と低速型パーソナルモビリティ (電動車いす) を連携して住宅地から最終目的地までの移動を一気通貫で提供するユースケースにおいて、自動運転車の実環境での走行性能やパーソナルモビリティとの連携性、利用者の利便性や安全・安心性などについて検証しました。
また、将来的な完全自動運転に向け、自動運転車の遠隔監視および移動中の見守り・サポートサービスについての実証も併せて行い、安全に安心して移動できるモデルケースを検証しました。
■実施内容
今回は、具体的な利用シーンとして病院への移動を想定した移動サービスの実証実験を実施しました。その結果、参加者からは、自動運転車とパーソナルモビリティが連携することで移動がスムーズになると好評価を得たとともに、交通弱者の解決手段として期待の声を頂くことができました。
つくばスマートシティ協議会では、今後もAIなどの先端技術を活用した次世代モビリティ等の社会実装を推進し、自動車依存度が高い地方都市における課題解決モデルの構築を目指していきます。
■筑波大学からのコメント
病気や身体的な負担を抱える人々が病院へ通院するときには、大きな不安があるでしょう。大規模な病院では、来院者が診察室から検査室までの経路を把握することも難しく、他者の助けが必要な場面があります。
このような社会課題を解決するため、自宅から病院内外の移動を安全かつ安心に行うことを目的とした人中心のスマートシティの実証実験を行いました。今回の実験を通じて、移動の効率性が大きく向上することがわかりましたが、さらに移動中の利用者が他者と話をしたり、次にどのようなことが起こるかを伝えることで不安を低減する効果があるという示唆も得られました。引き続き、コミュニティバス、路線バスや乗合タクシーといった地域交通と、歩行弱者も利用可能な低速型パーソナルモビリティを連結し、配車サービスのデータ連携による一体的な運用に向けて、実証研究そしてその後の社会実装を目指していきたいと考えています。
未来の病院では、時間のかかる受付や会計の手続きは、自宅と病院の間の移動中に行われるでしょう。このためには、患者が自由に医療にアクセスできるデジタル技術と、移動の自由を支えるロボット技術の双方が重要となります。患者がいつ病院に到着するか、また病院内のどこを移動しているかを見守る技術が必要不可欠です。これらは、患者だけでなく病院側にも大きな効果があります。診療の時間短縮やスタッフの業務負荷の軽減に加え、医師、医療従事者や患者による様々な意思決定を支えるためのスマートシティの技術を進めていきたいと考えています。