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サステナブル調達 活動実績(2023年度)
サステナブル調達アンケートの実施
KDDIは、2014年度から重要なお取引先さま※1に対してサステナブル調達に関するアンケート調査を実施しています。
アンケートでは、RBAの行動規範やJEITAの「責任ある企業行動ガイドライン」を参考にして、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」で規定した人権・労働、安全衛生、環境、公正取引・倫理、品質・安全性、情報セキュリティ、社会貢献などのサステナブル調達に関する取り組み状況を確認し、アンケート調査を通じてお取引先さまとサステナブル調達方針などを共有するように図っています。
2023年度よりEcoVadis※2を導入し、独立した第3者検証を用いてサステナビリティへの取り組みを評価しています。
また新たに、日本電信電話株式会社、ソフトバンク株式会社と共同作成した通信会社3社共通SAQ※3の運用を開始し、統一した設問構成・評価軸を形成しました。なお、設問では、お取引先さまのサプライチェーン(KDDIグループの二次以降のお取引先さま)にも同様の取り組みを展開いただくようにお願いし、サプライチェーン全体での取り組みを実施しています。
KDDIグループの重要な一次お取引先さまに対して実施したアンケートでは、目標回収率90%に対して、95%の高い回答率を得て、サプライチェーンの状況把握と、リスク分析に役立てています。また、回答いただいたすべてのお取引先さまに対し、スコアや是正に向けたコメントを記載したフィードバックシートを発行しています。
- ※1重要なお取引先さまの定義:発注金額ベース上位約90%の一次お取引先さま(二次お取引先さまは含まれていない)、重要製品・サービスを扱うお取引先さま、代替不可能なお取引先さま、サステナビリティ要件(環境・社会・ガバナンスなど)、商品・国やセクターなどの固有リスク 懸念のあるお取引先さまなどを基準として選定しています。
- ※2「環境」、「労働慣行と人権」、「倫理」、「持続可能な資材調達」の4つのパートで構成される、サステナビリティ評価のグローバルプラットフォーム
- ※3Self-Assessment Questionnaire 自評価調査
実施概要 | 社数 |
---|---|
依頼対象 | KDDIグループの仕入額 上位約90%(※4) |
依頼社数 | 150社 |
- ※4一次お取引先さまは約2,500社
(当社関連会社は除く)
項目 | 2023年度KPI | 2023年度実績 | (参考)2022年度実績 | (参考)2021年度実績 |
---|---|---|---|---|
アンケート回収率 | 90%以上 | 95% | 97% | 98% |
アンケートに関する フィードバック率 |
100% | 100% | 100% | - |
アンケート 種別 |
社数 | 比率 |
---|---|---|
EcoVadis | 77社 | 51% |
通信3社 共通SAQ |
73社 | 49% |
業種分類 | 主な内容 | 社数 | 比率 |
---|---|---|---|
サービス業 | 人材派遣、コンサル、広告など | 67社 | 45% |
情報通信業 | ソフトウエア、SIなど | 26社 | 17% |
製造業 | 端末、基地局、電子機器など | 28社 | 19% |
建設業 | 基地局建設、通信工事など | 29社 | 19% |
EcoVadis
2023年度より、KDDIグループは重要なお取引先さまのサステナビリティへの取り組みの評価のため、第三者評価プラットフォームのEcoVadisを導入しています。EcoVadisのグローバル基準のアセスメントを通じて、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野の評価項目に基づき、サステナビリティへの取り組み状況を確認しています。
アンケート対象となるお取引先さまの約半数にあたる51%にEcoVadisを受審いただいています。アセスメントの結果、4分野すべてにおいて受審企業平均得点がEcoVadisの基準と照らし、サステナビリティ推進体制が確立されていると評価されました。
また、お取引先さまにはEcoVadisを受審いただくことにより、同業他社などとのサステナビリティの取り組み進捗の比較ができるようになり、是正へ向けたサポートを実施しています。
今後もEcoVadisを推奨していき、透明性、公平性の高いサステナビリティ評価を拡大していくことにより、サプライチェーン全体のリスク管理と更なるエンゲージメント強化を目指していきます。
通信会社3社共通SAQ
アンケート項目
通信会社3社共通SAQの設問は全12項目で構成され、外国人技能実習制度、児童労働など、人権尊重・労働者の権利確保を含む人権に関するパート、CO2排出削減計画、廃棄物管理などの環境に関するパート、サプライチェーン(KDDIから見た2次以降のお取引先さま)へのアンケートや監査の実施などのお取引先の管理に関するパートなどに分かれており、基準点に満たないリスク懸念のあるお取引先さまに対しては、現地調査を含むヒアリングによる詳細確認や改善提案による支援など、是正に向けた対応を実施しています。
テーマ | 設問数 | 設問内容列 |
---|---|---|
法令遵守・国際規範の尊重 | 4 | 法令遵守や国際規範に関する会社方針・規程の確認など |
人権・労働 | 13 | 人権尊重・労働者の権利確保、児童労働の実態、労働時間への配慮 |
安全衛生 | 9 | 危険箇所の特定・評価・対策のプロセス、緊急時報告や避難、労働災害有無など |
環境 | 12 | 環境イニシアティブ認証取得、温室効果ガスの排出量を算定、環境負荷低減、水の管理、資源の有効活用と廃棄物管理など |
公正取引・倫理 | 20 | 腐敗防止、適切な情報開示、公正なビジネス遂行、通報者の保護、責任ある鉱物調達など |
品質・安全性 | 7 | トレーサビリティ管理、違反行為の有無など |
情報セキュリティ | 8 | 個人情報保護、機密情報漏洩、サイバー攻撃の防御手順など |
事業継続計画 | 2 | 大規模災害、テロ、広域伝染病などへの対応の作成 |
マネジメントシステムの構築 | 1 | 取引リスクの特定、軽減へ向けた取組みについてのステークホルダーへの説明 |
お取引先の管理 | 2 | 2次お取引先さまへのアンケート実施、実地調査・監査など |
苦情処理メカニズムの整備 | 5 | 苦情処理窓口設置、ステークホルダーへの周知、通報者保護など |
取組み状況の開示 | 1 | サステナビリティ、サステナブル調達などの取り組み状況 |
結果
通信会社3社共通SAQを回答いただいたお取引先さまの各項目の平均得点率は71点でした。「人権・労働」、「公正取引」、「情報セキュリティ」などの項目を中心に、高い得点率の結果となりましたが、「環境」項目については、取り組み支援が必要なお取引先さまもいるため、対話や啓発コンテンツの提供を通じて、是正の依頼や改善支援を継続して行っていきます。
ランク | 総合スコア | 比率 | 定義 |
---|---|---|---|
グループA | 80 - 100点 | 33% | 優れた取組みができている |
グループB | 58 - 80点 | 41% | 一般的な取組みができている |
グループC | 0 - 57点 | 26% | 取組みが一部不十分である |
お取引先さまとの意見交換・ヒアリング
アンケートの結果、サステナビリティに対する体制や取り組みが不十分と判断されたお取引先さまに対しては、調査結果のフィードバックおよび現地調査や対面・Web形式によるヒアリングを実施し、取り組み実態の把握、取引リスクの確認を行ってます。また、第三者監査による現地調査と改善提案も実施しています。実施したお取引先さまとのヒアリングの結果、即時に取引終了を必要とする重要なリスクは0件でした。なお、一定期間内に改善・是正されていない場合は、取引の終了を検討します。(2023年度に契約を終了したお取引先さまは0社となります)
項目 | 2023年度KPI | 2023年度実績 | (参考)2022年度実績 | (参考)2021年度実績 |
---|---|---|---|---|
ヒアリング社数 (監査法人による実地による第3社監査、自社による実地調査・ヒアリング) |
50社以上 | 63社 | 33社 | 5社 |
改善提案完了率 | 100% | 100% | 100% | - |
改善へ向けた取り組み
サプライチェーン全体でサステナブルな調達活動を推進していくため、アンケートやヒアリングを通じて、改善を依頼させていただいたお取引先さまに対して、対応・改善状況について定期的なモニタリングを実施しています。サステナビリティ活動におけるKDDIのノウハウを共有させていただき、お取引先さまとの連携を図りながら、サステナビリティ向上を目指し、お取引先さまとのコミュニケーションを通じて継続的な改善支援に取り組んでいます。
なお、2024年度からは、日本電信電話株式会社、ソフトバンク株式会社と連携して作成・発行した「サステナビリティハンドブック※5」、「温室効果ガス自社排出量の可視化ハンドブック※6」を参考にしていただき、より具体的な改善活動を支援いたします。
改善提案
2023年度のアンケート結果から、改善提案が必要と判断されたお取引先さまへヒアリングを行い、以下に代表される改善提案を行いました。
テーマ | 主な意見交換項目 | 改善提案件数 | 改善提案完了率 |
---|---|---|---|
人権 | 人権に関連する社内方針、規程について | 7件 | 100% |
苦情申告窓口の設置 | 7件 | 100% | |
人権デューデリジェンス実施 | 3件 | 100% | |
自社HPへのサステナビリティ情報の開示 | 8件 | 100% | |
環境 | 二酸化炭素排出量の算定や外部への公表 | 7件 | 100% |
法令遵守 | 法令遵守に関する社内教育体制の整備 | 3件 | 100% |
改善支援
2022年度のアンケート結果から、2023年度にヒアリングおよび改善提案を行ったお取引先さまのモニタリングを行った結果、以下の改善が確認できました。
テーマ | 改善提案・支援項目 | 改善支援件数 | 改善完了率 |
---|---|---|---|
人権 | 人権に関連する社内方針、規程について | 1件 | 100% |
自社HPへのサステナビリティ情報の開示 | 1件 | 100% | |
人権デューデリジェンス実施 | 1件 | 100% | |
環境 | 二酸化炭素排出量の算定や外部への公表 | 1件 | 100% |
SBT認証申請 | 1件 | 100% | |
法令遵守 | 法令遵守に関する社内教育体制の整備 | 1件 | 100% |
情報セキュリティ | 情報セキュリティ全般に関する訓練、教育の推進 | 1件 | 100% |
サプライヤー数に対する第三者検証について
下記、指標は第三者検証を実施しています。
- 一次サプライヤーの合計数
- 重要な一次サプライヤーの合計数
- 重要な一次サプライヤーに対する総支出額の割合
- 一次以外の重要なサプライヤーの数
- 重要なサプライヤーの数(一次および一次以外)
- デスクトップ又はオンサイトで評価したサプライヤーの合計数