イベントレポート
KDDI南極アカデミーを開催しました!
2024年7月30日から11月1日まで、KDDI MUSEUMでは国立極地研究所の協力のもと、「空が見えれば、どこでもつながる~南極観測の世界展」を開催しています。
この企画展にあわせて、9月28日と29日の2日間、多摩のLINK FORESTにて、ワークショップ「KDDI南極アカデミー」を開催しました。事前にお申し込みいただいた方を対象に、南極の自然や観測からSDGsについて考えるワークショップです。参加者は、KDDIの南極地域観測隊経験者から体験談を聞いたり、企画展を見学したり、衛星通信回線を用いた8K映像のライブ中継では、南極にいる観測隊員と交流しました。
日本から約14,000km離れた「南極」。日本の観測拠点となる昭和基地では、観測データの送信や、そこで暮らす観測隊と家族をつなぐ通信手段として、衛星通信「インテルサット」が重要な役目を果たしています。この回線の安定稼働を守るべく、KDDIから毎年1名が昭和基地へ赴任。南極地域観測隊の一員として、ネットワーク設備の運用保守を担っています。
9月28日の「KDDI南極アカデミー」では、第63次南極地域観測隊に参加したKDDI社員がアカデミーの講師をつとめ、南極観測で分かること、地球環境やエネルギーの重要性、観測活動におけるチームワーク、KDDIが果たす役割などについて、実体験に基づく話をしました。
南極大陸は厚さ2000mの氷の下にあることや、気温は-90度近くまで下がることなど、南極がどんなところなのかを解説。
「隊員は約30名で、1年間寝食をともにしながら観測をおこなったり基地を守るんだ」とチームワークの大切さを伝えました。
皆さん真剣なまなざしで話を聞いています。
また、観測隊員が南極から持ち帰った“南極の氷”と、“コンビニで販売されている氷”の2種類を参加者に配り、比較しながら観察してもらいました。
「南極の氷床は、大陸に降り積もった雪が長い年月をかけて厚い氷になったものなので、氷の中に気泡がいっぱい含まれています」という説明を聞きながら、皆さんコップを手に取り、氷の違いを目で確認していました。
これが「南極の氷」。何万年も降り積もった雪がパックされてできた氷なので、気泡がいっぱい入っています。
「南極の氷」と「コンビニの氷」を見比べるお子さん。
「南極の氷」を光に透かして気泡がいっぱい入っていることを確かめます。
「ここでちょっと寄り道」と講師が“南極の氷”に水をそそぐように呼びかけると、参加者は氷が入っているコップに水を注ぎ「パチッ、パチッ」と気泡が弾ける音を確認。「いま皆さんが聞いている音は、何万年も前の地球の空気の音だよ」という説明に、参加者の皆さんはコップに耳を近づけ、注意深く聞き入っていました。
コップに耳を近づけて、気泡が弾ける音を確かめます。このパチパチという音は、何万年も前の地球の空気の音ですよ。
講師は南極観測で分かったこととして、「二酸化炭素が増えるにつれて、地球の気温が上昇しているんだよ」と地球環境の変化についてグラフを使い説明しました。
またみんなで協力して地球環境を守った事例として「過去の観測で見つかったオゾンホールが、フロンガスの削減で小さくなってきているよ」と、地球環境保全の取り組みの大切さを伝えました。
説明が終わり質問を募ると、子どもたちからは次々と手が挙がり、「南極で一番つらかったことは?」「南極の氷は食べられるの?」「ご飯はおいしかったですか?」「ペンギンの種類は?」などさまざまな質問が寄せられました。
講師の話を聞いた後、参加者は7月30日よりKDDI MUSEUMにて開催中の特別企画展「空が見えれば、どこでもつながる~南極観測の世界展」を見学。
イベントに駆けつけたKDDIの南極地域観測隊OBの説明を聞きながら、南極の解説パネルや映像、隊員が南極で身に着ける服装や持ち物などの展示品を熱心に見学しました。
子どもたちは顔出しパネルや、南極バージョンのマチカメで撮影を楽しんだり、ペンギンセンサスでペンギン頭数調査に挑戦したりと、南極に行った気分でさまざまなことを体験しました。
企画展を見学する参加者の皆さん。
観測隊員の装備展示の前で、タブレットを使いながら説明する観測隊OBと、解説を聞く参加者の方々。
床に貼られた展示パネルで、南極大陸について解説しています。
タブレットを使い、アザラシやペンギンなど南極の生き物を子どもたちに紹介しました。
観測船「しらせ」が傾くときの角度を親子で体験。真っすぐに立つことすら難しい!!
「南極観測の世界展」の看板の前で、ペンギンの模型と自撮り
みんな大好き“顔出しパネル”で、気分は南極地域観測隊員。
氷山をバックに「マチカメ」で記念写真を撮影。
「マチカメ」で撮影した写真は即スマホにダウンロードされます。
南極観測の世界展にあわせて、スタンプラリーにペンギンのスタンプが登場。
館内の常設展では、南極での活動の様子が壁面の映像と基地のジオラマで解説されています。
KDDI MUSEUM見学の後は、現在、KDDIから国立極地研究所に出向し、第65次南極地域観測隊として現地で勤務する社員と8Kライブ中継をつなぎ、参加者と交流してもらいました。KDDI総合研究所では国立極地研究所と衛星回線を用いた8K映像の伝送を共同研究しています。
南極・昭和基地の室内から「皆さんこんにちは」と呼びかけがあると、参加者は画面を注視。
「本当にそこは南極なの?」と映し出される映像のクリアさに信じられない様子。
現地の社員が部屋の窓を開けて屋外の様子を見せると、そこには真っ白な氷の世界が。「昭和基地」の看板が見えると、会場からは感嘆の声があがっていました。
KDDI南極アカデミーは、南極観測を通して、地球環境の変化とその保全の重要性を考えていただくとともに、KDDIが果たしている役割を知っていただく機会となりました。これを機に、南極地域観測隊を目指したり、KDDIに入社したいという子も出てくるかな?
企画展/イベント名
KDDI南極アカデミー&KDDI MUSEUM無料見学会
開催日時
2024年9月28日(土)〜9月29日(日)
開催概要
南極地域観測隊として活動したKDDI社員が、南極の環境や観測隊の仕事・生活について解説します!
KDDI MUSEUM無料見学会も同時開催!