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経営戦略/新サテライトグロース戦略
経営戦略
KDDI VISION 2030に向けて
当社は2022年5月に、ありたい未来社会の実現に向け「KDDI VISION 2030」を策定し、事業の核である通信を磨き、「つなぐチカラ」を進化させてきました。いまや通信は社会のあらゆるシーンに溶け込み、なくてはならない存在になっています。今後さらにAIが溶け込み、新たな価値が生まれる時代となっていきます。当社はAIにより「つなぐチカラ」を進化させることで、新たな価値創出と社会の課題解決を目指し、「KDDI VISION 2030」の実現に向けて取り組みを推進していきます。
デジタルツイン
AIが溶け込む時代に向け、当社はパートナーとともに「デジタルツイン」を推進し、新たな価値を創出します。お客さまのリアルでの活動をデータ化し、これをデジタル・AIでシミュレートし、フィードバックしていくことで、リアル社会をより良くすることができると考えています。
当社はこの「デジタルツイン」の構築に向け、デジタル・リアル双方の取り組みを強化していきます。
デジタルの取り組み(生成AI基盤整備)
デジタルの取り組みとして、生成AIの社会実装に必要なAI活用基盤を整備していきます。大規模計算基盤の整備、大規模言語モデル(LLM)構築、AIによる価値提供の3つの領域において、パートナリングを強みに、生成AI活用に必要な基盤を整えていきます。
まず、ベースとなる計算基盤の整備については、中長期で約1,000億円規模の設備投資を行い、GPUなどの計算リソースを搭載したAIデータセンターの構築を検討中です。LLM構築に関しては、KDDIグループのスタートアップ「ELYZA」と連携しています。オープンモデルを活用した日本語LLMの開発に注力し、高品質のLLMを効率的に開発することで、よりスピーディーな価値提供を目指していきます。
AIによる価値提供については、社内でも構築した計算基盤をフル活用し、ネットワークの高度化、カスタマー対応や業務効率化を進めていきます。社外のお客さまに対しても、各業界に適したAIソリューションの提供により、お客さまの事業成長に貢献していきます。
リアルの取り組み(ローソンとのシナジー)
リアルでの取り組みとして、当社は2024年2月に三菱商事・ローソンとの資本業務提携を発表しました。
それぞれの強みを活かし、デジタル×リアル×グリーンの領域で、新たな付加価値を創出し、リアルテックなコンビニを起点とするサステナブルな社会に向けて、連携を強化していきます。
具体的には、DX活用によるリアルテックコンビニエンスの実現により、ローソンの売上・利益増と効率化を推進します。加えて、店舗立地を活用した新たなサービスの創出やPonta経済圏の拡大により、シナジーの最大化を図ります。
AI時代に向けた新サテライトグロース戦略
当社は、データや生成AIによるデジタル社会インフラの進展など、社会全体を取り巻く急速な環境変化に対応するため、新たに事業戦略「新サテライトグロース戦略」を策定しました。
2022年5月に発表した「中期経営戦略(23.3期-25.3期)」から、期間を1年延長(23.3期-26.3期)するとともに、事業戦略をアップデートすることで、「KDDI VISION 2030」の実現を目指します。
財務成長
EPS成長に関して、2022年5月に発表した中期経営戦略では、25.3期に19.3期対比1.5倍の目標を掲げ、これまで事業を推進してきました。
24.3期までの2年間の進捗として、持続的成長と株主還元の両立を軸に、着実に取り組みを進めてきましたが、通信料金値下げや燃料市場高騰影響、ミャンマー政変など、想定外要因もあり、進捗はビハインドしています。
当社は、中期経営戦略期間を1年延長し、新サテライトグロース戦略の推進とともに、引き続き26.3期にEPS1.5倍達成を目指していきます。
新サテライトグロース戦略
新サテライトグロース戦略による事業成長
「新サテライトグロース戦略」では5G通信をベースとし、データドリブンの実践と生成AIの社会実装を進めるコア事業を中心に、これと連携してKDDIの成長を牽引する事業領域「Orbit1(DX/金融/エネルギー)」と、将来の成長分野である「Orbit2(モビリティ/宇宙/ヘルスケア/Web3・メタバース/スポーツ・エンタメ)」に取り組み、さらなる事業拡大を推進します。
また、「新サテライトグロース戦略」とあわせて、未来への取り組みを進めることで、KDDI VISION 2030の実現を目指します。ここでは、24.3期までの取り組みと今後の成長についてご説明します。
Core
5G通信をベースとし、データドリブンの実践と生成AIの社会実装を進め、さらなる事業拡大を目指します。24.3期には業界最多※となる約9.4万局の5G基地局開設計画を完遂し、通信ARPU収入は前期比反転を達成しました。
今後は、通信+付加価値の戦略を推進、ARPU収入のさらなる拡大を目指し、ローソンとの連携も含めた付加価値の創出と、5G本格活用に向けたネットワーク構築に注力していきます。
国内MNO4キャリア比較
Orbit1
新サテライトグロース戦略において成長を牽引するDX/金融/エネルギーの3領域を「Orbit1」と定義し、通信のお客さま接点を基盤にパートナーとの連携や通信事業とのシナジー最大化に取り組み、新たな価値を提供することで成長を加速していきます。各領域で営業利益CAGR二桁成長を目指します。
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)
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24.3期は強みのIoTやデータセンター事業が好調に推移し、営業利益二桁成長を達成しました。
25.3期以降は、ベースとなる通信の上に、デジタルによる付加価値を合わせて提供することで、売上・収益力を高めていきます。加えて、AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」を立ち上げるなど、さらに事業領域とお客さま接点を拡大していきます。社会のDX加速に不可欠なAI・データ基盤・ネットワーク運用保守をワンストップで提供することで、社会課題・業界課題の解決や法人のお客さまの事業成長を加速していきます。
- 金融
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24.3期は強みの住宅ローンや、通信と金融サービスがセットになった「auマネ活プラン」を中心に、銀行やクレジットカードの事業基盤が拡大しました。引き続き、金融の各サービスの拡充と、通信とのシナジーを最大化することで、お客さま接点の拡大とさらなる事業成長を目指していきます。
- エネルギー
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auでんきを軸に通信とのシナジーを最大化することで事業成長を加速していきます。また、脱炭素関連事業を拡大し、カーボンニュートラルへの貢献と事業成長を両立させます。
Orbit2
従来のLX(Life Transformation)領域を、「モビリティを中心としたIoT社会への対応」「新技術への対応」「消費多様化への対応」の観点から5領域に定義。当社の強みである通信や新技術を活用するとともにパートナリングによってお客さまのライフスタイルの変革新サテライトグロース戦略による事業成長に挑戦することで、さらなる事業拡大を目指します。
- モビリティ
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コネクティッドカー、ドローン、ロボット等を通じ、未来のモビリティ制御基盤の社会実装による、課題解決と新体験創出を目指していきます。
- 宇宙
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スペースXとのパートナリングの深化により衛星通信の提供機能を拡張し、「空が見えれば、どこでもつながる」体験の実現を目指します。
- ヘルスケア
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個人の健康・医療体験を高めるサービスの拡充や、医療DXで病院業務の効率化を支援します。
- Web3・メタバース
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法人ニーズに合わせた事業拡大に取り組むともに、個人向けにはクリエイター支援を通じ、メタバースでの新たな体験価値創出を目指します。
- スポーツ・エンタメ
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スマートフォンでの動画視聴が普及した時代の変化に対応し、パートナー連携によるコンテンツ視聴の促進や新技術によるコンテンツの魅力化を行っていきます。
未来への取組み
「新サテライトグロース戦略の推進を通じ、未来に向けてより身近で多様なサービスを国内およびグローバルに提供し、社会の持続的成長につながる取り組みを行っていきます。これにより、KDDI VISION 2030に掲げる「誰もが思いを実現できる社会をつくる」ことを目指していきます。
- To Global(グローバルへの拡大)
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モンゴルやミャンマーなどの既存進出国でのコンシューマ事業展開や、データセンターやコネクティッドを中心としたKDDI BUSINESS のグローバル拡大を目指します。データセンターは、TELEHOUSEブランドにて、北米・欧州・アジアを中心にコネクティビティDCを展開、今後のトラフィック需要増大を見据え、積極的に拡大していきます。また、コネクティッドカー向けIoTについては、安定した運用基盤に加え、営業力も強化し、事業領域を拡大させていきます。
- With Life(もっとお客さまに身近な会社へ)
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ローソン協業による顧客接点の拡大や、JCOM、ctc、沖縄セルラー電話など地域に根差したグループ会社と一丸となって地域DXを推進することで、地域のデジタル化に貢献します。
- For Future(未来人財・スタートアップ育成)
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子ども向け教育の拡充や未来人財育成により、社会の持続的成長を支える人財育成に貢献します。また、スタートアップとのビジネス共創や、スタートアップをKDDIのアセット活用で育成しIPOを目指す「スイングバイIPO※」を推進し、ともに成長を目指していきます。
宇宙の専門用語で宇宙探査機が惑星の重力を利用して加速するということを表現した言葉。KDDIとソラコムでは、スタートアップが大企業のサポートを得て成長し上場を目指すことを、スイングバイIPOと呼んでいます
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