2009年3月期第2四半期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- 端末在庫は1Q末に181万台だったが、2Q末の在庫は? また、秋冬モデルはよくなるようだが、夏モデルが混在する中で3Qの販売戦略は?
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2Q末の端末在庫は2,147千台、うち、WINは2,068千台。市場の流動性も見ながら、下期の調達台数も絞っており、正常な在庫回転月数に戻していきたい。冬~春の需要期に向けて秋冬モデルで端末もそろってくるが、夏モデルの在庫コントロールについては慎重に対応していく。
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- 今後の端末調達単価の見方は?
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2Qの端末調達単価は41,000円。下期の単価アップの要因として部材価格の上昇がある。これはシンプルコースで売りやすいのは機能的にも他社にきっちり対抗できるモデルのためだ。加えて市場の販売台数の減少の影響もある。一方、低下方向としてはKCP+の開発コストの低減も効いてくるが、3Q-4Qの端末調達単価は2Qと同じレベル、あるいは若干上となる見通しで、通期見通しの39,000円は厳しそうだ。
質問者2
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- 2Qの端末在庫が215万台で、販売台数も前年同期比で3割減の状況では、夏モデルの在庫を掃くには、シンプルコース/フルサポートコース両方に販売手数料を付けざるを得ないのではないか? 夏モデルの在庫が混在する3Q時点では、まだ、販売手数料単価は下がらないのか?
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ソフトバンクモバイルの割賦期間あけのユーザや、NTTドコモの2Gからの移行者もあり、下期は純増、新規獲得を含め、きっちり数をとっていきたい。ただし、今後、シンプルコースの移行が進むため、3Qについても販売手数料単価は下げていく。
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- FTTHの赤字解消に向けてはドラスティックな変化が必要だと思うが、効率的な販売とは具体的には何か?
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販売チャネルによりコストが異なるため、安いところの販売量を増やすのが一つ。また、ドロップケーブルの工事費も高いので、低減に向けて社内検討も進めている。
質問者3
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- 証券化した4ビルの買い戻しで、2,068億円のキャッシュアウトに加え、割賦販売のキャッシュフローへの影響も出てくる中で有利子負債はどの程度まで増えるのか? また、買い戻しに伴う、PLへの影響は?
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買い戻しについては現預金もある程度積み上がっているので、ある程度はまかなえるものの、不足分の手当は適宜対応していく。PLへの影響については、買い戻しが10月末で、SPC (特別目的会社) の清算も3Q中になるため、詳細は勘弁してほしい。
質問者4
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- 「au Smart Sports」などでサービスを拡充しているが、現時点でARPUやコンテンツARPUの拡大が見えているか? スマートフォンも出てくる中で、中長期的にコンテンツ面でいかに差別化を図っていくのか?
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コンテンツビジネスは、広告、協業コンテンツ、コンテンツの回収代行、ECの4つからポートフォリオが成っており、売り上げは右肩上がりで、附帯売り上げの一つとして今後も伸ばしていく。スマートフォンのビジネスモデルに対し、価値あるものを有料で届けるという垂直モデルで対抗可能だと見ている。
質問者5
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- 今回増益と言っても、端末関連の変動費は大幅に減少しているものの、償却費の制度変更の影響を考慮すれば微減だ。来年度下期に割賦販売による利益貢献が一巡した後、移動通信事業の軸は、端末の販売価格、調達単価低減になるのか?
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当社はシンプルコースとフルサポートコースを併用し、お客さまに選択いただくため、シンプルコースへの移行も他社よりもゆるやかだ。とはいえ、シンプルコースへの移行による利益は見せかけに過ぎないため、端末関連で利益を上げる体質をどう作るかだ。例えば、ブルートゥースを搭載しているので、ヘッドセットなどの周辺機器の販売なども考えられる。単価は1万円程度に過ぎないが、携帯端末よりも利益率もよい。端末の販売台数が減少する中で、代理店を含め、いかに利益を確保していくのかが大事だ。また、FTTHは現状では大きな赤字を出しているが、損益分岐を超えれば、売り上げ・利益とも伸びてくる。「チャレンジ2010」にもあるように、2010年以降、売り上げ・利益の伸び率は、絶対額は小さくとも固定通信事業の方が移動通信事業よりも大きくなる可能性があると見ており、FMBCで固定通信事業と移動通信事業の双方を伸ばしていく。
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- FTTHとのタイアップを含め、中期的なCATVの戦略は?
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CATVのJCNをすでに連結子会社化しており、コンテンツの共同調達も進めている。FTTHのTVサービスとCATVをどう連携していくのは課題であり、同時並行的に伸ばしていく。JCNを見てもコミチャン (コミュニティ・チャンネル) など独自番組もいろいろ制作しており、ローカル番組ではあるが、結構見られているようだ。将来的に単純にFTTHで地デジの再送信やVOD (ビデオ・オン・デマンド) だけやっていくのがいいのかは考えどころだ。
質問者6
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- 秋冬モデルはよくなって、値段は手頃というのがよいと思うが、秋冬はいかに売っていくのか?
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秋冬モデルの発表は10月下旬のため、営業施策についてもその頃には具体的なお話できるかと思う。秋冬モデルではKCP+の完成度も前のKCP並みに向上しており、他社に対抗できる端末を出していく。また、ライフスタイルに寄り添った端末も考えている。
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- 今期の移動通信事業の設備投資見通しは、4,360億円だが、2GHzなどの投資もひと段落し、来期の設備投資も減少すると期待してよいか?
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周波数の再編で2012年までは新800MHz帯への切り替えもあり、新800MHz関連だけでも1兆円程度はかかる。今後の設備投資については、2008~2009年度は同じ程度だが、2010~2011年は3.9Gを含まないベースでは、ある程度山を越した感が出てくると見ている。
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- エリアの品質改善はもう十分なのか?
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新800MHzで現800MHzと同等の基本カバレッジを作り、トラヒックの大きいエリアは2GHzで容量対策を行う。新800MHzは2012年頃までは3波しかとれないので容量の確保は大事だ。
質問者7
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- 以前、新800MHz対応では累計5,000億円と聞いていたが、1兆円なのか?
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単純な周波数変更対応のみであれば、5年間で5,000億円だが、サービス対応などもろもろ含めれば1兆円になる。ただし、設備投資の総額のレベル感は変わらない。
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- 端末在庫は1Q末の180万台でも多いとのことだった。今回も増加しているが、どの程度の水準がコントロール可能なのか? また、3Q、4Qには削減可能なのか?
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2Q末で215万台の端末在庫は在庫回転率が3カ月程度になるが、年度末にかけては2カ月程度に抑えていきたい。また、メーカーともいろいろ話しをしている。
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- 「チャレンジ2010」の「モバイルの新たな収入確保とコスト削減」とは具体的に何か?
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移動通信事業は端末販売を別にすれば、売り上げが大きく伸びるというのは考えにくいため、コスト削減が一番の利益源泉になる。ほかの増収分野については、UQ、じぶん銀行のほかにも新たな取り組みも検討しているが、売り上げの4兆円の達成は難しそうだ。
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- コスト削減は端末販売関連が中心か? ネットワーク面では設備投資や減価償却費の減少も難しいと思うが?
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端末販売の部分の削減が一番大きいとは思うが、端末部分のコストを単純に削るのでは競争力を失うので、そのバランスをどうとるかだ。2012年以降、周波数の再編で現800MHzが不要になるので、ネットワーク面でもコスト削減効果が出てくると見ている。
質問者8
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- 2Qの特徴は端末の販売台数が大きく減少していることだが、シンプルコースとフルサポートコースとの構成比をどう見ているのか?
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2Qのシンプルコースとフルサポートコースの比率は55:45だが、シンプルコースの比率も施策を通じて月次レベルで上がってきている。秋冬についてはシンプルコースに軸足を移した施策であり、シンプルコースの比率が上がってくると見ている。
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- 最近は安い端末が売れているが、端末のラインアップはどう考えているのか?
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機種変更向けにフルサポートで廉価版の需要もあるので、一定量の確保も必要だ。秋冬モデルはシンプルコース向けに機能が整備されたものが高まっている傾向がある。シンプルコース・廉価版への要望もあるが、春に向けて、シンプルコース・廉価版の比率も上げる必要があるかもしれないと見ており、平均端末購入価格とのバランスを見ながら対応していく。シンプルコース並みの通信料で、フルサポートコース並みの端末料金となると、料金だけ下げて、コミッションはそのままになりかねない。そもそも今回のようにドラスティックに販売方法を変更したのがいいのかと前から疑問は提示しているが、ビジネスの根幹部分がおかしくなりかねないと懸念している。
質問者9
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- 今後の販売台数、買い替えサイクルについては、代理店と端末メーカーとの付き合い方にも大きく影響するが、どう見ているか?
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社内的には詳細な数字もあるが、個人的な見解では、機種変更については端末の平均保有月数が2年半から3年程度に伸びるとみている。台数減に対応できるような代理店・メーカーとの体制を作っていく必要がある。
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- 解約率も他社ほど低下していない中で、秋冬モデルで端末さえ出れば、競争力が回復するのか?
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特に、端末面で遅れが出ていた面はある。端末・サービスを全方位的にではなく、ターゲットを絞って集中的にTVコマーシャルと店頭での販促をリンクして対応していく必要があると考えている。全社的にプロモーションを含め、販売体制の見直しを進めているところだ。端末だけですべてが解決するわけではないが、そもそも魅力的な端末がなければ、店頭にお客さまが来ないので、まずは、端末の魅力化が大事だ。
質問者10
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- プレゼン資料p.8に、今後、「四半期ごとの営業利益が安定的」に出てくるとある。今回は業績見通しの変更はないものの、今期の4Qに大幅にコストを使う恐れはあるのか?
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昨年の4Qのようなことはしない。4Qは下がるものの、昨年度ほどまで下がることはない。解約率についても、高いのは4Qの拡販の影響で、このように無理な獲得がダメなのは経験済だ。解約率の通期の見通しは変えていないが、もっと下がらないとおかしいと見ている。
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- 今の回答で利益は上ぶれ見込みと理解した (笑)。プレゼン資料p.29の配当性向では「20%以上を目標に」とある。増益となれば、配当性向が下がるが、今後の配当性向についての考え方は?
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配当性向20%以上はコミットメントだ。期初予定では19.6%であり、通期の当期利益を見た上で考えるが、このままいけば増配せざるを得ない。現在の20%の配当性向は低いと考えているが、どのタイミングでどう上げるかについては検討している。今期はFCF (フリー・キャッシュ・フロー) がマイナスなので見直しは考えていないが、来期以降のFCFがどうなるかを見て考えていく。子会社の沖縄セルラーは、すでに配当性向は30%であり、問題は成長性と配当性向をどう考えるかだ。配当性向については、私、社長が責任を持って対応するが、だからと言って、今すぐに上げるという意味ではない。
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