2011年3月期第1四半期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- 移動通信事業、固定通信事業ともに、今期の通期営業利益見通しの下方修正リスクに関する確認をさせていただきたい。まず移動通信事業は、第1四半期の端末販売台数が前年同期比で27%増加しており、例年に比べ高い進捗率との事だが、これは前年同期 (2010年3月期第1四半期) の販売台数が低いという理解でよいか? 通期の端末販売台数が、期初見通しの1,060万台より増えた場合、今期の営業利益見通し (4,300億円) を達成できるのか?
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移動通信事業、固定通信事業ともに、対外公表した利益を最優先するという事業運営を心掛けている。従って、期初にお示しした営業利益目標達成の範囲内において、端末販売台数は増やしていく。なお、現状、端末販売台数が伸びているものの、販売手数料平均単価は社内計画を下回っている事から、移動通信事業では利益ベースでも社内計画を上回る進捗となっている。
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- 固定通信事業におけるKDDI単体の営業収益未達リスクに備えて開始したコストコントロール強化とは具体的にどのような内容なのか?
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固定通信事業における第1四半期実績の営業損失54億円は計画通りの状況である。第2四半期において、まず四半期ベースでの黒字化を図り、第3四半期、第4四半期と利益を積み上げていきたい。KDDI単体の営業収益は、4月の本決算において増収に向かうとお話したが、第1四半期の段階では若干計画を下回る推移となっている。計画を下回っている事が判明した時点から、コスト削減に取り組んでいる。営業収益は競争環境や市場動向にも左右され、思い通りにならない面もあるが、コストコントロールは会社の意志次第である。すでに全社を挙げてコスト削減策の洗い出しを進め、第1弾、第2弾の施策を策定している。第1弾については、営業収益の未達リスクに備え、すでに実行に移している。第2弾については、今後の営業収益の動向を注視しながら実施を決めていく。今期の営業黒字化は必ず達成する。
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- 固定通信事業において、「第2四半期に四半期ベースでの営業黒字を目指す」との事だが、第2四半期以降の四半期ベースの営業利益は、第2四半期: ±0、第3四半期: 50億円の黒字、第4四半期: 100億円の黒字といったようなイメージになるのか?
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第3四半期以降の社内計画は、第2四半期が終わった段階で改めて見直しを行う為、コスト削減の状況次第では営業利益に多少のブレがあるかもしれないが、おおむねそのような営業利益イメージを考えている。
質問者2
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- 決算全般として、コスト削減が進んでいる印象を受けるが、今期は、コスト削減での利益確保が可能だとしても、来期以降もコスト削減による利益確保が続けられるのか?営業収益を伸ばすような取り組みはあるのか?
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営業収益が低下している状況では、コスト削減による営業利益確保が必要である。伸ばすべき分野とそうではない分野の見極めは進んでおり、FTTH、ケーブルプラス電話、法人データといった分野はより注力し、今後の成長ドライバとしていく。レガシー系のサービスは、現状、すぐになくなるものではないが、必要以上のコストを掛けるつもりはない。
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- 全契約数に対するインターネット対応端末の稼働割合から見ても、携帯電話3社の中でデータARPUの伸びが最も低くなると推察されるが、今後、どのような端末、サービスでデータARPUを伸ばしていくのか? またその時期はいつ頃になるのか?
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第1四半期における解約率の状況において、スマートフォンへの取り組みの遅れによる高ARPU層の他社への流出が見られる。これらを止めるべく、今年の秋冬モデルでは2~3機種のスマートフォンを投入していく予定である。また、データARPU向上の取り組みとしては、以前から行っている大人向けポータルの展開、第1四半期にはクラシック楽曲の着うたフルプレゼントといったキャンペーンなど、コンテンツ利用層の拡大に向けた地道な取り組みを行っている。
質問者3
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- 従来、強調されていた移動通信のネットワーク (以下、NW) 網と固定通信のNW網の統合は、現状どのようになっているのか? またソフトバンクテレコムとの比較において、営業利益率では今期逆転される可能性が高く、さらに固定通信事業ではソフトバンクテレコムとの間で売り上げに占める償却額が2倍近い差が生じている状況だが、なぜこのような差が生じるのか? このような観点からも、今後のNWの統合に関するKDDIの方向性についてお伺いしたい。
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当社における移動通信のNW網と固定通信のNW網の統合、いわゆる「ウルトラ3G」については、着々と進めている。すでにバックボーンにおけるIP統合網は、ほぼ完成しており、電話網についても、移動通信ではCS-IP NW (Circuit Switched over-IP NetWork、IPベースの回線交換コアNW) にトラヒックを移し始めている。固定通信についても、オールIP化を進めている。なお、「ウルトラ3G」とは、いかなるアクセス網にも依存しないオールIP化された統合NW網であり、FMBCサービスを展開する上で最も適したNWとして、構築を進めている。本件に関しては、最近、公の場で披露する機会が減っているものの、取り組み自体は順調に進んでいる。
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- 中長期的に連結ベースの営業利益率が再び回復するメドやターゲットイメージは?
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中期計画に関しては、現時点ではお示しする段階にはないが、今期、来期、2012年7月の800MHz帯周波数再編が完了するまで、業績面で厳しい状況が続くのは間違いない。これは移動通信事業の収入面において、シンプルコースの契約率が6月末で49%、来年3月末でも68%の予定であり、来期も80数%までシンプルコースへの移行が進むと考えるならば、音声ARPUの低下は継続する事が一因である。さらに費用面では、800MHz帯の周波数再編に関する非トライバンド端末からトライバンド対応端末への移行が、今期約400万台、来期も約400万台のペースで進めていく中、追加施策費は今期だけで約800億円要する。これら費用面はできる限り削減する方向で進めているものの、利益の大半を占めている移動通信事業は、収入・費用の両面からも厳しい状況である。このような状況下において、当社としては、固定通信事業を黒字化し利益を積み上げる事で、今期の連結営業利益を何とか横ばいにする業績予想を発表させていただいているが、来期も採算面では厳しい状況が続く。しかしながら、2012年7月の800MHz帯の周波数再編が完了した段階では、トライバンド対応端末への移行に係る追加費用が発生しなくなり、インフラに関する費用も軽減される見通しである。またARPUの面でも、シンプルコース移行に伴う音声ARPU低下は続くものの、来期中にはデータARPUが音声ARPUを上回ると見ており、さらに2013年3月期にはARPU全体の下げ止まりも期待できると見ている。2013年3月期内でARPUの反転がなされれば、巻き取りコストの低減、NWインフラコスト低減から採算面では現状から改善できると考えている。
質問者4
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- スマートフォンは今期中に2~3機種発売するとの事だが、来期以降はどの程度まで増やしていくのか? CDMA2000対応のGalaxy S やXperiaの投入は難しいのか?
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今期のスマートフォンは、すでに発売済のIS01/IS02に加え、秋以降に2~3機種投入する事はほぼ決定している。来期に関しては、スマートフォンと通常ケータイで半々の機種数のイメージをしているものの、現段階ではまだ具体的な発売機種数や厳密な割合についてお答えする事は難しい。この秋にはFeliCa、ワンセグ、赤外線機能などの日本仕様を搭載したスマートフォンを投入し、多くのお客さまにご利用いただきたいと考えている。その一方で、来期以降については、海外メーカーのスマートフォン導入についても検討を進めなければならないと考えている。なお、CDMA2000に対するAndroidのサポートが遅れていたのは事実だが、ソフト面の遅れはすでにリカバーできているので、今後は純粋に日本の周波数に適合させるというようなレベルの内容で端末サポートは可能となっていく。海外メーカーの端末を導入するかしないかは別として、導入自体に関する問題はなくなってきている。
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- 6月末で21万契約となっている関連会社のUQコミュニケーションズについて、基地局数は充分増えているようだが、来年3月末の80万契約目標に向けて、今後どのような取り組みを行っていくのか?
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UQでは7月より「WiMAXスピードNo.1キャンペーン」「スピードのりかえキャンペーン」といった拡販施策を展開し、数値としてもあがってきている。契約数は社内計画に対し、幾分ショートしているが、これはau/WiMAXハイブリッド端末の遅れが影響している。来年3月末までの残り9カ月間で、5~6万/月の純増を確保しなければならない点は認識している。なお、既存チャネルはほぼ期待通りの獲得が進んでいるので、今後はKDDIも含めチャネルを増やして期末目標80万に向けて取り組んでいきたい。
質問者5
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- この6月末のトライバンド対応端末数2,326万台に対応する3月末の数値は? 4月の本決算時から訂正があるのか?
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3月末のトライバンド対応端末数は2,187万台。4月の本決算時に開示していた3月末の数値に一部誤りがあったので、訂正させていただく。
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- メディアフロー方式による携帯端末向けマルチメディア放送への参入ができた場合、連結業績に与えるインパクトは? 事業計画における5年目での単年度黒字化までの間で、年間ベースでの最大損失規模はどのくらいになるのか?
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携帯端末向けマルチメディア放送における受託放送部分に対して、現在免許申請を行っている当社連結子会社のメディアフロージャパン企画株式会社 (以下「MJP」) の主な収入源は、委託放送会社からの収入となる。当社連結への取り込み、今後の影響額については、委託放送事業者、受託放送事業者のシェア次第で変動する為、現時点では申し上げにくい。
質問者6
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- KDDIのコンテンツ・メディア事業売り上げは堅調に推移している一方で、着うた/着うたフルの伸びは市場同様に伸びが止まっているのではないかと見ているがどうか? また、着うた/着うたフル以外のコンテンツで、例えば投資先のグリー株式会社との連携などの伸びている分野を教えてほしい。
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当社における着うた/着うたフルのコンテンツ利用は、前期、今期共に堅調な伸びを示しているが、お客さまの端末保有期間の長期化もあり、以前の伸びからは鈍化している。コンテンツ・メディア事業は、4分野 (回収代行、イーコマース、広告、協業その他) から構成されている。このうち回収代行はGREEやGoogleといったユーザ窓口を経由して、お客さまがコンテンツを購入する機会が増加する好循環が生まれており、現在年率110%以上の伸びを確保している。加えて、EZ GREEといった協業系のビジネスも、全体で年率130%を超える大きな伸びを示している。コンテンツ・メディア事業については、回収代行、協業ビジネスといった部分に軸足を置きながら、今後も拡充を図っていきたいと考えている。
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